毎日、新聞広告をチェックしてるといろんな気づきがあるもんです。「企業広告って、青いのが多いな」とか「やっぱり情報の詰め込み過ぎは、しんどいな」とか。
今日、目に留まったのはこれ。大人用オムツ・介護オムツ「アテント」の企業広告です。
かくさない
パンツになろう。読むほどにいいコピーだった。老いは、誰も避けては通れない。朝刊の全面広告に、オムツがデカデカと出てもいい。押さえの「もっといいパンツになる。」まで、清々しささえ感じるコピーワーク。#アテント #常識をはきかえよう #新聞広告 https://t.co/45nskXAAOQ pic.twitter.com/XwzgdUxTtn
— ことばと広告 (@kotobatoad) August 3, 2020
おお、いいですね。何かもうパッと見で「言葉で世の中に届けてやろう」って気概が伝わってきます。だって、ビジュアルは真ん中にオムツどん、以上ですから。
そもそもあまり、オムツの新聞広告って見たことないかな。しかも、朝刊の全面広告。
キャッチコピーは「かくさないパンツになろう。」
なるほど、なんとなく日陰じゃないけど、下(シモ)の消耗品として、情報発信が奥まりがちなオムツを、パンツ(アンダーウェア)として前面に押し出していこうと。
「オムツからパンツへ。」しかも、それを大人のパンツと呼んでみてはどうだろうと。
どんな研究開発もそうでしょうが、オムツの研究もそうとう地道なようで。大変だけど、がんばって改良を重ねていけるのは「ありがとう、助かった」の声があるからだそうです。
だから、アテントはオムツのことを包み隠さず(オムツだけに)、もっと話したい。
みんなと本音で考えていきたい。大人のパンツには、未来のいろんなヒントが隠されている気がするから。締めのコピーは「もっといいパンツになる。」ハッシュタグは「#常識をはきかえよう」
睨んだとおり、胸の奥に熱い思いを秘めていたアテント。
全面広告とはいえ、自分の暮らしに直接関係なければスルーされそうな「オムツ」。でも、こうやってなんだか大きなことを言われると、ちょっと耳を傾けてみたくなりますよね。
最近、世の中が変わろうとする息吹を感じるからでしょうか。これまでの固定観念をひっくり返し、タブーを打ち破ろうとするメッセージに惹かれます。
だって、今まで常識だ、安全だとされていたものが、簡単に覆る時代じゃないですか。そろそろ身の回りの常識を総点検して、片っ端からアップデートするタイミングなのかもしれません。
「かくさないパンツになろう。」語りはじめた大人用オムツ
タブーになると、議論は前に進まない。人生100年時代、超高齢化社会。「老いとどう向き合うか」は、日本の最重要課題だ。企業広告が、わたしには意見広告のように思えた。#アテント #常識をはきかえよう https://t.co/xd4MNOGvsB
— ことばと広告 (@kotobatoad) August 4, 2020