いや、米津玄師さんの注目度の高さは別格ですね。猫がニャーと鳴いて、朝4時くらいに起きるんですが、その頃にはもう「カロリーメイトのCMに、米津さんが出てる」の情報は拡散されてました。
というわけで、カロリーメイト新CM「変わらないもの」篇です。
うん、いい。これでもかってくらいの世界観、米津さんが歩いている、米津さんが語ってる。新曲「迷える羊」が流れてる。ほかに、何がいるだろう。
さすがにここまでくると、映像作品ですね。このCMを「広告は邪魔だから嫌い」っていう人は、あまりいないんじゃないかな。
キャッチコピーは「BALANCED FOR HUMAN.」
世界は、驚くほど速く変わっていく。しかし、人間にとって必要なものは、それほど大きく変わらないだろう。ポスタービジュアルも公開されています。
BALANCED FOR HUMAN.
世界は、驚くほど変わっていく。
しかし、人間にとって必要なものは、
それほど大きく変わらないだろう。#カロリーメイト #米津玄師 #迷える羊 https://t.co/x2gfJVQXHT pic.twitter.com/ORPVSScXiv— ことばと広告 (@kotobatoad) July 29, 2020
米津さんが「迷える羊」で、あの巨大な犬(狼?)が「牧羊犬」でしょうか。
コロナで未曾有の事態に、慌てふためくわたしたちを、巨神はどこへ導くんでしょう。ん、なんだか既視感あるなこの世界観…
そっか「ワンダと巨像」だ。2005年に発売された、ゲームデザイナー上田文人さんの名作↓
「最後の一撃は、せつない。」のキャッチコピーは、あまりにも有名です。
きっと、カロリーメイトのCMの制作者も好きなんじゃないかな、上田文人さん。「ICO」「人喰いの大鷲トリコ」わたしも大好きです。
「ICO」は画期的な作品で。主人公の男の子と救い出す女の子が手をつないで、物語が進んでいくんですが、あまり早く行き過ぎると手が解けちゃうんです。ああ、もどかしい。でも、そこがいい。
キャッチコピー「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。」もよかった。
あと、登場人物が誰もしゃべらない。ゲームの世界の中に、余計なものが一切ない。
すべての無駄を削ぎ落すと、こんなゲームが出来上がるんだと唸った作品でした。その点、今回のCMもとてもミニマル。何も足さない、何も引かない。そういうものが、わたしは好きです。
米津玄師×カロリーメイトCM、迷える羊は「ワンダと巨像」の世界を彷徨う
「世界観」という言葉が、これほどしっくりくる広告はない。犬神を連れ、異世界をゆく米津さんを眺めながら、わたしはあの往年の名作を思い出していた。#カロリーメイト #米津玄師 #迷える羊 https://t.co/6z0Iyt36YN
— ことばと広告 (@kotobatoad) July 30, 2020
7月31日、追記です。すべては、わたしの妄想ですが…
BALANCED FOR HUMAN.
この犬神(人に憑りつき、病気や災いをもたらす霊)はコロナの象徴で。米津さんが畏怖の念を抱きつつ眺め、距離を保ちながら歩いてるのは、ウィズコロナを表現してたんだな。いま、わかったよ…#カロリーメイト #米津玄師 https://t.co/uxsAR1OIRZ pic.twitter.com/uhRm2TyeVX
— ことばと広告 (@kotobatoad) July 31, 2020