糸井重里さん、言わずと知れたコピーライターの先駆者です。

実はここにきて、糸井重里さんが気になりだしています。「いまさら?」と思いますよね。でも、ほんとここ一カ月くらいなんです。多分、このサイトでもほとんど紹介してないはず。

もちろん、「ほぼ日」の存在は知ってましたし、昨年のジャスダック上場のニュースを見て「すごいなぁ」と思っていました。でもそれは、どこか別の世界の話だったんです。

 

一つには、「糸井さんの書いたコピーを、そこまでリアルタイムで受け取っていない」というのが大きいです。以下はほんの一部、どれもめちゃくちゃ有名ですね。

  • いまのキミはピカピカに光って。(ミノルタ 1980年)
  • おいしい生活。(西武百貨店 1982年)
  • 想像力と数百円。(新潮文庫 1984年)
  • くうねるあそぶ。(日産セフィーロ 1988年)
  • サラリーマンという仕事はありません。(セゾン 1988年)

 

糸井さんのコピーは本当に時代の空気を切り取っているので(もちろん普遍的なものもあります)、その時代を生きて言葉を浴びないと、ピンとこないときがあるんです。

広告コピーとは本来そういうものなんで、バブル当時の糸井さんはまさに時代の寵児、キレキレの言葉使い(魔法使いならぬ)だったと想像します。

でも、わたしが知ってる糸井さんは「掘っても掘っても出てこない徳川埋蔵金を掘り続ける人」であり、バス釣りしたり、ゲームソフトを開発したりする、いわばマルチタレントでした。

 

ところが、最近ふとしたきっかけで下記の本に出会って、読んでいます。

だいぶ古い本ですけどね。これが、おもしろいんです。糸井さんがインターネットに衝撃を受けて、ほぼ日を作っていく心の流れが克明に記されています。

そう、20年近い時空を超えて(?)いま、わたしがネットで発信することのおもしろさに目覚めているから、響くんです。

規模も、メジャー度も何もかも違いますが、わたしはようやく糸井さんにリンクしたんだなと感じています。人は長い時間をかけて、時を超えてつながることもあるんですね。