久しぶりに笑えるプロモムービーに出会いました。もう10回ぐらい観たでしょうか、観ている時ももちろんですが、ふとした瞬間に思い出して「んふふ」となります(笑)

そのムービーとは、三菱電機 サイクロン式掃除機「風神」です。

ツイッターでそこそこ話題になったので、観られた方も多いでしょう。ムービーのおもしろさを語るのも野暮ですが、ちょっとドハマりしたので書かせてください。

 

異常性の一点突破、ベタなほどおもしろい

何はともあれ、まずはご覧ください。

 

いかがでしたか?まぁ、おもしろいかどうかは好みによるでしょうが、よくできていますよね。

吸引力や手入れの簡単さ。送風で吹き飛ばすこともできるし、布団掃除もOKなど、ちゃんと機能性の高さも伝わってきます。

でもやっぱり、ストーリーが秀逸です。商品を擬人化(?)するのは、決して目新しい手法ではありません。恋愛をメタファー(比喩)にするのも、よくある表現方法です。

それでも、ここまで行き切ったドラマに仕上げた作品は他に見当たりません。このムービーの魅力は、多くの方の反応通り、主人公の異常性をおもしろおかしく描いている点にあります。

 

1分07秒からの展開なんて、唸るものがあります。「んなアホな」の連続です。何が「風神いなくなっちゃう!」ですか(笑)

恋のライバルが「このまま逃げんのかよ!」と詰め寄るシーンもいいですね。風神、何も逃げてませんからね。この辺りは、よく見かけるベタドラマ、パロディのおもしろさです。

とにかく話の骨格がオーソドックスでわかりやすい。きっと、CMプランナーやコピーライターがいろんなベタな展開の候補を上げて、何度も会議にかけたんだと想像します。

ベタであればあるほど、女子高生の異常性が際立っておもしろくなるわけですから。ここに、意外な展開を持ち込むと話が入り組みすぎて、おもしろさがぼやけてしまいます。

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おそらく狙っている、とぼけた空気感

さらに注目すべきは、このムービー全体に漂う“とぼけた空気感”です(ここからは、わたしの妄想です。読み流してください)。

「掃除機に恋をした女子高生が、妄想全開で突っ走るストーリー」。これを映画の予告編風にするだけなら、もっと“それっぽく”できるはずなんです。

それこそ有村架純さん主演の映画のような雰囲気で、ほんとに泣けそうなところまで持っていくこともできるでしょう。でも、あえてそれをしていない。

こういったパロディや擬人化は、それらしく作り込めば作り込むほど、ギャップが出ておもしろくなるかというとそうじゃないんですね。おもしろい“ライン”というのがあります。

 

地なのか演技なのか、とぼけた表情が抜群に上手い主人公(白本彩奈さんという女優さんです)。このキャスティングで、半分くらいは成功でしょう。

ちょうどいい男前さ加減の校務員さん(皆川暢二さんという俳優さんです)、今にも街角で流れてきそうなテーマソング(Haru.Robinsonという、実在するバンドです)。

どれも絶妙です。この何とも言えないラインを突いてくる感じがたまりません。おそらく作り手も狙っています。

フワフワと地に足が付きそうで付かない雰囲気、「ちゃんとまじめに作ってますが、何か?」というテイスト、いや見事な仕事です。偶然の産物なんかじゃありません。

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まとめ

クセになる絶妙な演出!サイクロン式掃除機「風神」のCMがたまらない。異常性の一点突破、ベタなほどおもしろい。おそらく狙っている、とぼけた空気感という話でした。

いや、それにしてもいいムービーです。なかなか掃除機を買い替える機会はないですが、かなり「風神」の認知度は上がるんじゃないでしょうか。

知る → 気になる → 調べる → 欲しい → 買う ですからね。まずは、「こんな商品があるんだよ」と存在を知ってもらうことが大事です。気になった方はどうぞ↓

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