みなさんの中には、「コピーライターってクリエイターだし、人と違って少し変わってるぐらいがいいんじゃないか…」と思う方もいるかもしれません。

さて、実際のところどうなんでしょう?

 

一般的な感覚が考える土台になる

わたしは、常に普通の感覚を持った人間でありたいと思っています。

それはなぜか?コピーライターにとって“一般的”であることがいかに大切か、身に沁みて感じているからです。

 

たとえば、「思春期の頃の初めてのデートは、お互いに気持ちを探りあって、会話もぎこちないもんだ。」という感覚があったとします。実際、多くの方には思い当たる節があるでしょう。

でもこれが「えっ、はじめからスムーズだったな。ずーっと会話も途切れず、すっごい盛り上がったし!」という方の場合、どうでしょうか。

そのこと自体は、悪いことでも何でもありません。そういうケースもあるでしょう。

でも、世の中の多くの人が思うこと、感じることにピンとこない。肌感覚として理解できないとしたら、これはコピーライターとして致命的です。

 

コピーは消費者やユーザーに共感してもらってなんぼです。「おもしろそう!行ってみようかな」「いいかも!一回試してみようかな」

喜怒哀楽といった、人間の何かしらの感情を揺さぶって、共感/共鳴してもらう。これがコピーライターの仕事です。

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なので、自分のことを「普通の人間だな…」と思っている方は、安心してください。コピーライターになる素養があると思っていいです。

逆に、自分は少し変わっているという自覚がある。あるいは家族や友達からそう言われるという方は、努めて一般的な感覚を養うようにしましょう。

難しいことではありません。話題のドラマや映画を観る、いろんな人と積極的に交流する。お祭りやクリスマスなど、みんなが盛り上がるイベントを一緒に楽しむ。

一朝一夕にはいきませんが、こういった積み重ねで少しずつ一般的な感覚が身に付きます。

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でも、普通なだけでもいけない

 

一般的な感覚はあくまで考える土台です。これがないと、そもそも成り立たないというものです。でも、普通のことを大きな声で言っても、誰も振り向いてはくれません。

広告とは、招かれざるものです。テレビを観ている途中に、新聞や雑誌を読んでいる途中に割り込んできます。駅のポスターをじーっと眺める人はまずいないでしょう。

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なので、「ん?」と振り返ってもらう、「なんだろ?」と立ち止まってもらう。そんな工夫が必要なわけです。

ここですべての工夫を紹介することはできませんが、こういうことが言えます(島田紳助さんが、笑いについて語られていたことです。とても、コピーライティングに近いです)。

 

それは、一般的な感覚から“少しだけズラす”ということです。すると、人は「おやっ?」と小さな違和感を感じたり、「なるほど…」という発見があったりします。

でもこれが、大きくズラしすぎると、どうでしょう?途端にわけがわからなくなってしまいます。心は置いてけぼりで、共感は生まれません。この“ズラし”度合いを測るために、一般的な感覚が重要なんです。

この基準がグラついていると、少しだけズラせているのか、飛ばしすぎているのかがわからなくなるということです。

 

まとめ

コピーライターにとって、一般的な感覚はとても大事、でも普通なだけでもいけないという話でした。基準になるのは、常に一般的な感覚です。これがコピーライターの生命線と言ってもいいでしょう。

 

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