「ああ、いいコピーだなぁ」と思う要素の一つにこんなのがあります。
それは、声に出して読みたくなること。いい言葉や完成された文章って、思わず声に出したくなりませんか(わたしだけかな)。というわけで、今回紹介する広告はこちらです。
ポカポカする
東急ハンズのバレンタイン pic.twitter.com/9DR04KqX09— ことばと広告 (@kotobatoad) February 2, 2021
ああ、いい。「人は、人がつくったものに弱い。」わたしは、こういう人間の真理を説いたコピーに弱い。
東急ハンズのバレンタインポスター、コピーライターは相楽久美さん。2009年だから12年前ですか、まったく古さを感じません。
相楽さんは『物語のある広告コピー』という本の中で、このコピーは「手づくりは喜ばれる」の言い換えだと語っています。
たしかにパッとは「手づくりは届く。」のようにプラスのアプローチをしたいところ。「弱い」はどちらかといえば、ネガティブなワードですからね。でも、この言い換えが効いたんだなぁ。
「人は、人がつくったものに弱い。」そう思って、過去のプレゼントを思い返してみました。
銀を溶かして作ったハート型のキーホルダー、冷蔵庫を開けたら入ってた、生クリームの乗ったコーヒーゼリー(サプライズのつもりだったのかな)。
うん、うんうん。たしかにどれも、思い出せます。もう、随分昔のことなのに、ちゃんとエピソード付きで残ってます。
大人になってからのアクセサリーやちょっとしたブランド品も嬉しいけど、やっぱり手づくりには人の心を動かす何かがある。
用意するのにかかった手間暇でしょうか、あえて手を出してくれた行動力でしょうか。
相手のことを思う時間なら、既製品を選ぶのだって同じはず。「ぬくもり」なんて言葉でまとめるとチープだけど、やっぱりあったかいんでしょうね。
あと、書いてて気づきましたが、何年経っても心のどこかに残ってます。もうカタチはないかもしれないけど、プレゼントを贈りあったシーンが、相手の喜ぶ顔が、つい昨日のことのように。
おかしいな、書き出したときはこんなセンチな気分じゃなかったのに、あいみょんの『裸の心』が流れてきました。
泣いちゃう前に締めましょう。今年のバレンタインは日曜だから、義理チョコは少なめになるのかな。あと、このご時世じゃ手づくりもちょっと渡しづらいでしょうか。
どちらにしても、あなたと大切な人のバレンタインが、ハッピーエンドになりますように。