あと数日で「平成」もおしまい、「令和」の時代がやってきます。そこで今日は、平成の時代を彩った数々の名作コピーの中から、「これは」という3本を選んでみました。
正直、選ぶなんておこがましいですが、今しかやる機会もなさそうなんで。雑誌『ブレーン』の「名作コピーの時間」の、ことばと広告社バージョンだと思ってください。
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恋する部品製作所
まずはこちら。京都に本社を構える電子部品メーカー、村田製作所のタグラインです。
恋する部品製作所
村田製作所 / 1998年 / 安藤隆
はじめて目にしたのはCMだったと思うんですが、けっこうな衝撃を受けました。「えっ、恋する?」「部品製作所が恋するの?」
意外性を出すために、ギャップのあるワードを掛け合わせるのは、よくある手法かもしれません。でも当時、まだ学生だったわたしには、とても新鮮に映りました。
また、ナレーションの語呂もよかった。CMの最後「恋する部品製作所、村田製作所」と、かるくリフレインさせて締めるんです。
この語感/リズム感と意外な言葉のマッチングに、「コピーって、おもしろいもんだな」と思ったのを覚えています。動画が残ってたんで、よかったらどうぞ↓
このままじゃ、私、可愛いだけだ。
いやー、これも衝撃でした。朝日新聞社のポスターです。
このままじゃ、
私、可愛いだけだ。朝日新聞社 / 2004年 / 吉岡虎太郎
すごいですよね。視点と瞬間の切り取り方が絶妙です。「書くということは、世界を切り取ることだ。」と聞いたことがありますが、ほんとに鮮やかだと思います。
わたしもすでにコピーライターだったんで、かるく嫉妬しました。だって見てください。コピーがいいから、文字も堂々と大きいでしょ。ちなみに、モデルは鈴木杏さんです↓
一瞬も 一生も 美しく
さいごはこちら、資生堂のコーポレートメッセージです。
一瞬も 一生も 美しく
資生堂 / 2005年 / 国井美果
もう、言葉いりませんね。ため息が出るほど美しく、完全無欠なコピーです。これまで、何度このコピーを呪文のように唱えたかわかりません。
字面、語呂、意味合い、伝わる速さ、インパクト。どれをとっても、一分の隙もありません。完璧です。長い歴史があり、日本の化粧品市場を牽引してきた資生堂だからこそ言えるメッセージ。
すべての女性の願いと、資生堂が担う役割を、たった9文字で表した完成度の高さ。どの文字も、動かしようもなく、変えようがありません。惚れ惚れするほど、美しい佇まいです。
100年使われても、何の不思議もないほど普遍的。ですが、2019年4月現在、企業サイトを見ても載っていないので、どうやら変えようとしてるのかなと。
ざっと探した限り、新しいコーポレートメッセージは見当たりませんが、もし変えるならコピーライターには、相当なプレッシャーがかかりそうです。
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まとめ
というわけで、もうすぐ改元、「平成」の時代に印象的だったタグラインやキャッチコピーでした。
なるべく意外な、これまでこのサイトで取り上げてないものをと思ったんですが、さいごはやっぱりあれでした。あなたも、3本選んでみてはいかがでしょうか。ではまた。
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