お盆の帰省シーズンですね。ただ「今年はどうしよう…」という方も、多いのでは。
というわけで、この時期が来ると思い出す「キリンラガービール」のCMをご紹介。もう15年以上前の映像ですが、帰らないと決めた方、気分だけでもどうぞ。
ああ、いい。大沢たかおさんの抑えた演技もいい、平井堅さんのデスペラードもいい。
でも、何がいいってキャッチコピーがいい。「人は、人を思う。」たった8文字の言葉に、なんだか胸が熱くなります。
「親は、私より子供の顔を見たがっている」のセリフに共感する方、多いんじゃないかな。
たしかに、親の孫のかわいがり様といったらないですからね。でも、親父さん。そうは言っても、子供の顔を見たいんだと思いますよ。今日、父と私のラガーを飲む。
せっかくなんで、同シリーズのCMをもう一本。
実はわたし、こっちが好きなんです。今でも、年に1度は見返すかな。さっきのと同様、拾い動画で画質・音質ともにあれですが、そこはご愛嬌。
ああ、もうダメ。さっきのはまだ堪えられるけど、こっちはもう…
映像の(球場の)美しさ、野球という親子の共通言語、大沢さんの見つめる目。親父さんの何とも言えない表情が、またいいんだ。
「その夜、別世界にいた。私は小学3年生で、夏休みの終り、はじめてナイターを見た。あの球場には、気持ちいい風が吹いていた。父は、あのときと同じ顔をしている。」
美しい。言葉の並びが、たたずまいが、語感が、すべてが美しい。
こちらも、キャッチコピーは「人は、人を思う。」コピーライターは秋山晶さんです。
普遍的なコピーに「ほかの商品だって、言えるじゃないか」と思う方もいるかもしれません。でもね、ビールでこれを言うなら、やっぱりラガーなんです。しかも、キリンラガー。
語弊あるかもしれませんが、ラガーってちょっと“オヤジ”なビールなんです。ちゃんと苦くて、飾りっ気がなくて、これぞ古き良きビールって感じ。
だから、こういうノスタルジックなエピソードを織り交ぜた、親子の絆を描くストーリーにしっくりくるんです。これ以上ないくらいに。
ああ、いいな。帰省したくなってきた。
昔のCMを懐かしんでばかりもいられないけど、「いい広告は、いつ見てもいい。ほんとに人の心を打つメッセージは、時代を越える」そう、思いませんか。
人は、人を思う。
帰省中の方、まだ迷ってる方、今年はあきらめたって方。キリンラガービール「人は、人を思う。」15年以上前のCMだけど、人間の根っこの部分は変わらない。2020年、コロナに揺れる夏。あなたは、誰を思いますか。#キリンラガービール #大沢たかお https://t.co/zoKWpuPaYI
— ことばと広告 (@kotobatoad) August 8, 2020