今日は、コピーライターの仲畑貴志さんの仕事をご紹介します。
このサイトでも何度か紹介していますが、コピーライターの神様と言われる大御所です。名前は聞いたことあるって方も、多いんじゃないでしょうか。
コピーを見たら、「このコピー、仲畑さんか!」ってなると思います。さっそく、見ていきましょう。
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仲畑貴志さんのコピー 厳選7本
もう数えきれないぐらいほどの傑作がありますが(おこがましいですね)、その中でも今日は7本をピックアップしました。
知性の差が顔に出るらしいよ……困ったね。
新潮社/新潮文庫
やー、さっそくすごいですね。本、読まなきゃ!って思いますもんね(笑)。1978年の新潮文庫のキャッチコピーですが、まったく古さを感じません。
最後の「……困ったね。」が絶妙です。仲畑さんの著書『みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる』(宣伝会議)でも、「エビフライの尻尾」というエピソードで紹介されています。
エビフライに尻尾がなかったら、それが何なのかわかならい。エビフライをエビフライと認識させるのは、一見不要にも思える尻尾なんだというお話です。「……困ったね。」が効いてるんですね。
愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている。
九州旅客鉄道
これもすごいです。鉄道のキャッチコピーで、ここまで語れるもんでしょうか…
1993年のコピーです。25年ほど経ってますが、故郷を離れ、上京する人の気持ちは変わらないんじゃないでしょうか。
鉄道って、人や荷物だけじゃない。思いも乗せて運んでるんだと気づかせてくれる、静かに熱いコピーです。
昨日は、何時間 生きていましたか。
パルコ
ドキッとしますよね。コピーライターじゃなくても、好きな言葉に挙げる人もいます。1985年のコピーです。
内田裕也さんが、スーツ姿で泳ぐビジュアルも印象的です。マンハッタンを背景に、川の流れに背くように、漂うように。そこにこのコピーですからね、強烈なインパクトです。
風邪は、社会の迷惑です。
武田薬品/ベンザエースD錠
これだけ、言い切られると気持ちいいですね。嫌味がないです。
「風邪は、社会の迷惑」、誰も否定できないでしょう。電車で「ゴホッゴホッ」ってされると、ちょっと離れようかな…となりますもんね。
みんなが思っているけど、口にはしないことを、サッと提示しているのがすごいです。1983年のコピーです。
世の中、バカが多くて疲れません?
エーザイ/チョコラBBドリンク
出ました、もう身も蓋もないですね(笑)
もはや、仲畑さんが思っていることな気もしますが、栄養ドリンクのCMだから、ちゃんと“言えてる”んですよね。こちらは、1991年のコピーです。
CMでは、桃井かおりさんがつぶやいてました。放送後に視聴者からクレームが入って、すぐに「世の中、お利口が多くて疲れません?」に差し替えられたとか。てことは、そのパターンを撮影していたってことです。
その流れを知ると、余計に皮肉が効いてますね。先ほどの「風邪は、社会の迷惑です。」といい、公共広告の香りさえ漂います。
「人間は、全員疲れているのだ」と仮定する。
東陶機器/TOTO
TOTOのものづくりの姿勢を表した、企業広告のコピーです。おそらく、実際のTOTOの企業精神から生まれたコピーだと思いますが、言葉の“切り取り方”が絶妙です。
このコピーが1988年。栄養ドリンク、リゲインの「24時間戦えますか」が1990年(コピーライターは、勝部修さんです)。バブル崩壊が1991年。まさに、世相を表すコピーですね。
おしりだって、洗ってほしい。
東陶機器/ウォシュレット
最後はこちら。仲畑さんと言えば、このコピーを思い浮かべる方も多いでしょう。
1983年のコピーですが、お尻を洗うという発想や習慣がなかった時代です。そこに、ウォシュレットという画期的な商品が登場しました。
画期的な商品のコピーって、言うことがある程度見えていて、簡単に思うかもしれませんが、相当難しいです。今までになかった価値に、気づいてもらわないといけませんからね。
その価値を、誰にでもわかるように、サラッと表現したのがこのコピーです。いいコピーは、苦労の跡を感じさせず、当たり前のようにそこにいる。その代表的なコピーです。
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まとめ
今日は仲畑貴志さんのコピーを紹介しました。あったかいというか、血が通っているというか。人間味のある、味わい深いコピーが多いなと思います。
気になった方は、下記の本をどうぞ。他にも、たくさんの傑作があります。読み応え抜群の一冊ですよ。
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