今日のテーマは、主観と客観です。ざっくり言えば、主観が自分の目、客観が他人の目です。

コピーライターは、この両方を高いレベルで持つことが求められます。どういうことか、さっそく見ていきましょう。

 

主観で書いて、客観で見る

コピーには、あなたが出ます。あなたが書く以上、良くも悪くも、あなたというフィルターを通してしかコピーは生まれません。

でも、あなたの(わたしも含めて)フィルターは、そんなに高性能でしょうか?

人の考え方や物事の見方は、少なからず偏っています。デフォルトの状態でバランスが取れた人間なんて、まずいません。みんな、一回しか人生を経験しませんからね。

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なので、自分の中に客観的な目を持つ必要があります。これは、コピーに限ったことではありません。志望動機や自己PRなどの応募書類も同じです。

独りよがりな文章は、敬遠されます。あなたも読み手の立場で、「そうとも限らないんじゃないかな?」「あぁ、なんか自分に酔ってそう…」と思ったことがあるでしょう。

 

「夜中に書いたラブレターを出してはいけない」という格言(笑)もあります。視野が狭くなり、思いがあふれた文章は、相手に引かれるという例えです。

ボディコピー(キャッチコピーの次にくる、長めのコピー)や応募書類はそうなりがちなので、注意しましょう。

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頭のモードを切り替える

 

では、どうすれば客観的な目を手に入れられるかです。手っ取り早いのは、下記の記事でも書いたように、他人に見てもらうことです。

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でも、なかなかお願いできない場合もあるでしょう。何より、コピーライターは日常的に、主観と客観を行き来する作業を行わなければいけません。

それには、頭のモードを切り替えるのが有効です。自分モードと他人モードです。訓練によるクセ付けも大きいですが、すぐに使える手法がいくつかあります。

① 時間を置く

もっともポピュラーな手法です。クールダウンさせるってことです。時間が経てば、冷静な目で見られるということはよくあります。

可能なら、一晩寝かせましょう。カレーのように深みは出ませんが、いろいろと気づくことがあるはずです。

② 印刷する

PCで書いた文章なら、プリントしてみましょう。できれば、ちょっと大きめの文字で。

そして、机に置くか壁に貼るかして、少し離れて見てみましょう。不思議なもので、紙という物体になって物理的な距離が離れると、また違った目で見られるものです。

③ ネガティブに見る

いわゆる、あらさがしですね。ネガティブチェックとも言います。

「これ、本当に言い切れるの?」「この例え、わかりにくくない?」「ここは、勘違いされちゃうよ…」と、なるべく意地悪な気持ちでダメ出ししましょう。

④ 他人になりきる

採用担当者の気持ちになって読んでみましょう。採用担当者は、たくさんの応募書類に目を通します。

言わずもがなのことを書いていませんか?例文の一部を書き換えたような退屈な内容になっていませんか?

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コピーを書く場合は、その商品やサービスのターゲットの気持ちになりきりましょう。

たとえばターゲットが小学生なら、小学生が好むテレビや雑誌、SNSをチェックして、一時的にマインドを寄せましょう。無茶ですが、それがコピーライターの仕事です。

 

まとめ

コピーや応募書類を書くときは、主観と客観を行き来しようというお話でした。

思い入れたっぷりの文章は、読み手にはまればいいですが、レアケースだと心得ましょう。常に客観的な目を持って、相手にどう届くかを計算する、それがプロの書き手です。

 

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