クリエイティブディレクターのように、「全体を見渡す力」を身に付けるには?
前回の質問「論理と直感」について、自分でも調べてみました(いろいろ調べた中でも、河西智彦さんの『逆境を「アイデア」に変える企画術』は、とても参考になりました)。
そこで、また別の観点から質問させてください。コピーライターのような専門職から、クリエイティブディレクター
プロジェクトを成功させていくとき、全体を見渡し、このタイミン
コピーライターとしての専門性が高くなっていけば、全体を見渡す
(シゲルーティン さん)
質問ありがとうございます。すごいですね、イベントに出かけたり、企画術の本を読んだり、その行動力があれば、思いが叶う日も近いのではと思います。
さて、クリエイティブディレクションについてですね。たしかに、全体を見渡す能力が必要です。クリエイティブディレクター(以下、CD)とは、制作における監督ですからね。
結論から言うと「駆け出しの頃から、全体を見渡すクセを付ける」ことかなと思います。
自分はコピーライターだから、言葉に関することだけやっていればいい。デザインはデザイナーがするし、顧客折衝はCDやディレクターに任せておけばいい(自分の仕事じゃない)。
こんな感じで仕事に取り組んできた人が、ある日突然クリエイティブディレクションができるようになるとは思えませんよね。
そのポジションに就いたから、デザインも学んでいくか、スケジューリングや予算管理もしていくか、では話になりません(そもそも、そんな人はCDになれませんが)。
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本当に初心者の頃はコピーで手一杯かもしれませんが、少し慣れてきたら、意識して全体を見渡すように心がけましょう。
別に、逐一口を挟めというわけじゃありません。「あー、広告制作はこんな風に回ってるのか」「今回のプロジェクトのキーパーソンはこの人だな」
そんなふうに、一歩引いて俯瞰にして見るクセを付けましょう。当たり前と言えば当たり前ですが、それを意識してるかどうかの積み重ねは大きいと思います。
コピーはテキストとしてポツンと存在するわけじゃありません。必ず、掲載箇所があって、文字の大きさもあります。映像ならタイミングや誰が発するかということもあります。
どんなビジュアルと組み合わせるのかもありますし、表現のアイデアなんて、コピーライターが出してもデザイナーが出してもいいわけですから。
そもそもそういった連動なしに、広告クリエイティブなんてありえません(だから、心配しなくても自然と身に付く気もしてきました…)。
クリエイティブディレクションって、大げさに言えば総合芸術です。
コピーを見て、デザインを見て、人を束ねて、顧客折衝して、タイトな状況でもスケジュールに乗せて、そして何より成果を上げなければいけません。
ときにはリスクを取らなければいけませんし、対立する意見の落としどころ見つけて、着地させなければいけません。総合芸術であると同時に、広告制作はビジネスですから。
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でも、そんなCDへの道も一歩ずつです。最初からできる人なんていません。コピーライターならコピー、デザイナーならデザインを足掛かりに、広告制作とは何かを学びます。
なかなか遠い道のりですね。大きなプロジェクトのCDや多人数を束ねるディレクションには相当の経験が求められます。
でも、広告プロダクションで小さな仕事を任せてもらったとき、実質的にはあなたがコピーライターであり、CDです(そう名乗ることはなくても)。
だって、プロダクションの小さな案件に、何人もクリエイターが関わるなんてことはありませんから。
あなたがクライアントにヒアリングに行って、持ち帰ってデザイナーに指示を出して、デザインにOKを出して、提案書にまとめて、クライアントに持ち込んでプレゼンするなら?
もう、やってることはCDと同じです。規模は小さく、誰もあなたをCDと認識しなくても、実質的にはそうです。
つまり、クリエイティブがあるところ、誰かがディレクションしてるってことです。
小さな案件でも自分で回す感覚が身に付いてくると、制作物全般に目を配るようになります。何かミスがあって問題が起これば、対処するのはあなたですから。
当然、主体性や仕事に対する責任感も身に付きます。そんなことからも、未経験の方がコピーライターになるなら、広告制作会社からスタートするのがおすすめというわけです。
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