新元号「令和」をコピーライターの視点から、ネーミング論として少しだけ

先ほど、新元号が発表されました。政治的(?)な話はあまりしないんですが、数十年に一度の国家的ネーミングプロジェクトなんで、コピーライターとして感じたことを少しだけ。

 

まずは、新元号「令和」の印象や感想

第一印象としては

  • また「和」なんだ。ちょっと「昭和」への後戻り感あるな
  • 経済復興、グローバル化、未来へ躍進する雰囲気がほしかった
  • でも、響き(reiwa)は新時代感あるか

 

安倍総理の会見を聞いて

  • 思ったより安倍総理のカラー強いな(「美しい国、日本」)
  • 選挙のことを考えて、投票率が高いやや高齢者寄りか
  • まぁでも、元号は理想を掲げるものだろうし、いいのか

 

というような感想です。まぁ、いろんな意見があるでしょうが、似たような感想を持った方もいるんじゃないでしょうか。

当然、ネガティブチェックもかけるでしょうから、あえて「和」を用いたところに、並々ならぬこだわりを感じます。年号における「和」のイメージを更新する決意というか。

 

ネーミングにおいて、大事なことは何か?

さて、ここからは「ネーミング」というコピーライティング技術の話。もちろん広告主が考えて、もう決まってる場合もありますが、基本的にはコピーライターの仕事です。

では、ネーミングにおいて大事なことは何か?を、今回の改元の話と絡ませてポイントを挙げると…

 

① 読みやすい、言いやすい

まずはこれです。余程、奇をてらった商品やサービスならいざ知らず、ネーミングにおいてもっとも大事なのは“覚えてもらうこと”です。

覚えてもらえなきゃ、指名されない、検索されない。購買のチャンスを失いかねません。では、覚えやすさとは何かというと、読みやすさ、言いやすさに集約されるでしょう。

その点で言うと、「令和」はとても読みやすく、言いやすいネーミングと言えます。とくに言いやすさがありますね。「言いたくなる」といっても過言じゃありません。

 

② わかりやすい

次は「わかりやすさ」です。それが何の商品なのか、どんなサービスなのか。すべてが伝わらなくても、感じさせることは大事です。

語感、字面、文字から受ける印象、連想する事柄などなど、考慮すべき点は多々あります。理想としては、万人が誤解なく、共通したイメージを持てるのがベストでしょう。

それで言うと、「令和」はややわかりにくいでしょうか。初見では「ほーう」、意味合いを聞いて「あー、なるほど」という方が多かったのではと思います。

 

③ 長く親しまれる

これも大事ですね。ロングセラーになることを願うなら、瞬間的な良さだけでなく、生活に浸透して、愛されてというのが広告主や開発者の願いです。

もちろん馴染みもありますが、何十年と売れ続ける商品は風格というか、よくできたネーミングだなぁというものが多いです(例「一番搾り」「雪見だいふく」「オロナミンC」etc)。

さて「令和」はというと、まだ始まってすらないのでなんとも言えませんが、問題ないでしょう。使用頻度の高さから、否応にも馴染む土壌が用意されてますから。

 

④ どこで、どう使われるか

キャッチコピーやコーポレートメッセージもそうですが、誰にどこで、どんなシチュエーションで見られるの?という想像は、ネーミングを考える際のカギです。

駅の売店でよく買われるなら、短く聞き取りやすい名称がいいかもしれません。競合商品と差別化するのか、それともイメージを拝借するために似通ったものにするのか。

これでいうと、決定前の隠れ選定条件に挙がっていた、「ローマ字の略表記が、過去数代の元号と区別できること」でしょう。もちろん、「令和」は「R」でクリアしています。

 

⑤ 関係者がどんな気持ちになるか

案外大事なのがこれです。関係者というと広いですが、つまり消費者だけでなく、経営陣、開発者、営業、さらには株主など。カタカナでいえばステークホルダー(利害関係者)です。

みんなが、「あぁ、いいな」「誇りに思えるな」「ずっと続いてほしいな」と思えるネーミングが理想だってことです(なかなか、難しいですが)。

元号でいうと、国民はもちろんですが、いまの皇太子殿下(次の天皇陛下)がどう思われるかも無視できません。元号が持つ意味や位置づけを考えれば、当然と言えるでしょう。

 

まとめ

というわけで、新元号「令和」をコピーライターの視点から、ネーミング論として少しだけでした。

書きながら、さすがに商品やサービスの名称と元号を並べて論ずるのは、無理がある気もしましたが、まぁこんな機会、もう一回あるかないかなので。

つきなみですが、いい元号にしましょう。数十年先「いろいろあったけど、令和はいい時代だったよね」と言えるように育てていきましょう。

それが元号といいう、“究極のネーミング”の極意かもしれません。

 

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