今日ご紹介するのは、この年末年始に(興奮しながら)読んだ『アイデアの発見』。日本初の広告制作プロダクション、ライトパブリシティの代表を務める、杉山恒太郎さんの著作です。

だいたいの本は「ことはの本棚」で簡単に紹介するんですが、だいぶ響いたんで記事にしました。

 

エポックメイキングな広告がずらり

結論ですが、とっても良かったです。良質な講座に半年通って、もう一度広告の歴史や存在意義、あるべき姿を勉強し直した。そんな感じです。

杉山さんの膨大な知識や経験から、時代を変えたエポックメイキングな広告、広告を見る視点などを惜しみなく提供してくれています。

海外を中心に、約一世紀に渡る広告を取り上げていますが、まぁその事例と解説がことごとくおもしろい。広告はカラーなんで、見た目にもちゃんと楽しめます(デザイナーさんにもおすすめ)。

 

なんだろ。「あぁ、広告って本来そういうことだったよな」「時代を、場合によっては世界をも変えてきた広告の力とは、こんなにもすごいものか」と、見せつけられました。

ここまでいくと学問ですね。「広告学」という講座を聴講したような感覚です。「広告ビジネスの黎明期、成長期。広告に力がある時代だった」という意見もあるでしょうが、それはどうでしょう。

 

 

たしかに価値観も多様化して、メッセージ一点突破でも、大衆を動かすことは難しい世の中です。もはや、「大衆」なんて存在しない。そんな風に一括りにできない時代です。

でも、ガツンと効く、骨太の広告。スッと入ってくる、クレバーな広告。トンと心を打つ、エモーショナルな広告は現代にもたしかに存在します。

あまり、難しく考えないよう心がけるわたしですが、そんなことを思いました。「昔は良かった」と口にした瞬間に、クリエイターは終わる。そういうことかもしれません。

 

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