今日は、最近気になったCMの話です。「お前、CM好きだなー」と思われるかもしれませんね。はい、わたしは映像が好きです(笑)
でも、CMのストーリーやセリフって、コピーライターが考えることが多いんですよ。そこから、CMプランナーになる方もたくさんいます(ちなみに、わたしも映像を作ってました)。
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「アイデア一発」を、鮮やかに決めたナイキ
まず1本目はナイキ。ランニングをテーマにしたブランディング広告です。
クールですよね。野暮を承知で解説すると「地球の自転が止まったんで、みんなで走って自転を取り戻そうぜ!」ってことです。
何度か観て気付いたんですが、この映像には字幕がありません。最後に「さあ、いっしょに走り出そう。」のメッセージが出るだけ。おそらく、各国バージョンが存在するんでしょう。
字幕がなくても、十分伝わりますもんね。オチの「逆やったんかーい」が多少わかりにくいかもしれませんが(いや、わかるけど)、ややこしい箇所はありません。
メッセージはシンプルに「みんな、走ろうよ」。多少深読みすれば「みんなで気持ちを一つにすれば、できないことなんてないんじゃない?世界平和だよ、ピース!」です。
そんな香りは漂いますが、CMでは一切語りません。語れば語るほど、つまらなくなるから。もちろん、ナイキという確固たるブランドだからできるコミュニケーションでしょう。
ちなみに、ヘリから登場するのは元NBAのスタープレイヤー、コービー・ブライアント。主人公の女性は、誰でしょう?著名なアスリートじゃないかと思うんですが…
ブランディングの王者、アップルが放つ一言
2本目はアップル。iPad ProのCMです。こちらは、昨年からガンガン流れてますよね。
おう、クール。クールとはアップルのためにあるんじゃないか(言い過ぎました)。でも、そう言いたくなるほどカッコイイです。
またまた野暮にも解説すると、隣の家のおばちゃんが尋ねます「コンピュータで何してるの?」女の子は答えます「コンピュータって何?(What’s a computer?)」
もう彼女からしたら、iPadはiPadであって、きっと赤ちゃんの頃から遊んでいて、いっしょにいて当たり前の存在なんですね。もはや、コンピュータですらないと。
続けてこんなセリフが聴こえてきそうです。「あっ、これ?コンピュータじゃなくてiPadだよ(てか、何してるも何も、息してるのと同じなんだけど)」
わたしは、アップル信者じゃないですが、最高にクールです。言わないけど、言っている。ここでわざわざ語ってるのが、バカに思えるくらいです。
これが、いい意味でライバルを(場合によってはユーザーをも)置き去りにするクリエイティブです。「もう、ボヤボヤしてると置いてくよ」「ついてこれるもんなら、ついてきな」と言わんばかりに。
また語ってしまいました。ブログではある程度仕方ないですが、広告クリエイティブは今日紹介した2本のように、多くを語らずユーザーに感じさせたいもんです。
そう、いいコピーは説明しない。駆け出しの頃、よくダメ出しされたもんです。「お前のコピーは説明してる」って。
— ことは@コピナロ (@copinaro) 2018年1月29日
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まとめ
いい広告クリエイティブは、多くを語らずにハートを射抜くという話でした。
書き手はどうしても、いろいろ語りたくなるんです。不安だから。たしかにちゃんと説明しないと伝わらないこともありますが、広告は基本的に引き算で作りましょう。
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