いいコピーの特徴として、「言いたくなる」というのがあります。みんなが口にするってことは、世の中への伝播力があるってことですからね。こういうコピーは強いです。

今日は、そんな思わず声に出して言いたくなるコピーをいくつかご紹介しましょう。

 

思わず言いたくなるコピー、厳選7本

比較的新しいものから、ちょっと古めのものまで、7本をピックアップしました。あなたも一度は、言ったことがあるかもしれません。

 

① ぜんぶ雪のせいだ。(JR SKISKI)

 

もう、みなさんご存知ですね。ネット上でも、よくパロディされています。コピーライターの山口広輝さんが書かれました。

よく使われる理由として、汎用性の高さがあります。雪で転んで「ぜんぶ雪のせいだ」、電車が遅延して「ぜんぶ雪のせいだ」。雪を別のワードに変えても使えますね。

汎用性が高い分、ビジュアルとセットではじめて機能しますが、ここ最近でもっとも言いたくなる、キャッチー(catchy=楽しくて、覚えやすい)なコピーだと思います。

 

② インテル、入ってる。(インテル)

 

こちらも有名ですね。まぁ、はっきり言えば、ダジャレです(笑)

でも、意味が通っていて(当たり前ですが)、リズムがいいので、思わず言いたくなります。コピーライターは不明です。

画像は海外のもので「intel inside」となっています。実はこれ、日本の「インテル、入ってる。」から逆輸入の形で、採用されたものだそうです。

ちなみに「インテル、入ってる。」のコピーが使用されたのは2005年まで。2006年からは「さあ、その先へ。」となっています。

 

③ お金で買えない価値がある。(マスターカード)

 

これもよく使われますね。「お金で買えない価値がある、買えるものはマスターカードで。」コピーライターは、中村猪佐武さんです。

CMが流れはじめた頃は、「プライスレス」のワードとともに、よくパロディされました。お金や体験の価値といった、普遍的なことを言っているだけに、汎用性が高いコピーです。

“マスターカードじゃなくても言える”という点はありますが、こういうのは言ったもの勝ちです。

価値を言語化して、発信したクライアントとコピーライターの勝利です。他のカードブランドは、もう同じことは言えませんからね。

 

④ 目の付けどころが、シャープでしょ。(シャープ)

 

こちらは、1990年に登場したコピーです。いわゆる、コーポレートメッセージですね。

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あまりにも一般化していて、もう”ことわざ”とかに近い印象です。

これは、コピーライターの仲畑貴志さんが書かれました。「でしょ」っとこが、仲畑さんらしいというか、とてもチャーミングですね。

ちなみに、このコピーが使用されたのは2009年まで。2010年からは「目指してる、未来がちがう。」となっています。

 

⑤ いつかは、クラウン。(トヨタ自動車)

 

こちらはグッと古くなって、1983年です。わたしも、リアルタイムでは知りません。

クラウンは、当時のトヨタの最上級モデルで、憧れの車だったんですね。高級乗用車の代名詞的な存在でした。

だから「いつかは、クラウン(に乗れるように頑張ろう)」と、仕事に励んだそうです。

みなさんのお父さんぐらいの世代の人は、誰もが知ってる伝説的なコピーです。コピーライターは、宮崎光さんです。

 

⑥ 男は黙って サッポロビール。(サッポロビール

 

さらに古くなって、1970年のコピーです。もう半世紀近く経ってますが、これまで全国の居酒屋で、何度となく口にされたでしょう。

60オーバーの人なら、いまでもビールを注文するときに言うんじゃないでしょうか。「男は黙って、サッポロビールや」うちの父親も、よく言ってました(笑)

ちなみに、ポスターの男性は映画俳優の三船敏郎さんです。三船さんのイメージとコピーを掛け合わせた、金字塔のような広告です。コピーは秋山晶さんが書かれました。

 

⑦ そうだ 京都、行こう。

 

最後は現役のこちら。1993年からなので、24年ですか。四半世紀近く、生きているコピーです。思わず言いたくなるコピーの代表例ですね。

日本全国、普段の会話でSNSで、使われない日はないでしょう。たぶん、京都へ旅行する人の半分くらいは使ってます(笑)

気分を言ってますからね。とにかくキャッチーで、共感性が高いです。こうしてる今も、きっとどこかで使われているでしょう。

クリエイティブディレクションを佐々木宏さん、コピーライティングを太田恵美さんが担当しています。

 

まとめ

いかがでしたか?こうして見ると、言いたくなるコピーは、気分をセリフで語りかけているものが多いですね。

繰り返しですが、普段よく言われるってことは、それだけ伝播力があるってことです。

クライアントが広告費を注ぎ込んだ以上の効果が期待できます。一つの手法として、覚えておきましょう。

 

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