気がつけば、季節はもう秋。コロナに始まり、コロナに暮れていきそうな2020年です。
というわけで、今朝の日経新聞。チョコレートブランド「ゴディバ」の全面広告。ジャパンCEOのジェローム・シュシャン氏からのメッセージです。
ああ、いい。新聞広告というより、もはやジェロームさんからの手紙です。
フランス出身の彼が惚れ込んだ、日本の礼節を重んじる心。それを日本人が、コロナ禍の混乱で忘れかけてしまっているのではないかと。
そうそう、彼は弓道家なんです(なんと五段)。たしか、テレビ東京の『カンブリア宮殿』でも、その腕前を披露していました。
ビジネスの哲学も、弓道の精神「正射必中(正しい射法を行えば、矢は必ず的にあたる)」というから筋金入り。下記はジェロームさんの著書です。
こういう、手紙のようなメッセージを届けられるのは、新聞広告の強みですね。CMやWebムービーでもいいですが、けっこうな尺を取っちゃいます。
紙面でもなかなかのボリュームですが、わりと読まれたんじゃないかな。ゴディバジャパンのフランス人CEOが、袴姿でメッセージ。ちょっと気になりますよね。
ビジュアルもまたいい。こういうの「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」って言うんでしょうか。光と影のコントラストが美しく、上品なゴールドに輝きます。
キャッチコピーは「礼節の国」。自分の良さって、自分じゃわからないんですよね。卑下することなく、偉ぶることなく、日本人としての誇りを持って生きたいもんです。
正射必中(せいしゃひっちゅう)
弓道の教えで「正しい射法で射られた矢は、必ずあたる」の意。的にあてることではなく、正しく射ることに集中すれば、結果はおのずとついてくる。プロセスの大切さを教えてくれる言葉です。
ジェローム・シュシャン氏、コロナ禍の日本を憂うhttps://t.co/bY8ukJx0PZ
— ことばと広告 (@kotobatoad) September 18, 2020