Q. 質問

CM表現はどこまでOK?視聴者が不快に思わないラインはどこですか?

CM(地方のラジオCMを想定)で流せるものについてです。ラジオCMだと

  • 「金鳥少年」のような、一瞬エッと想わせるような際どいネタ
  • カツアゲする人など、犯罪行為する人が登場するCM
  • 「ストレートな口説き文句」を連発して、聴いている人の心をガサつかせるCM

などが実際に放映されてます。クライアントの意向にもよるとは思いますが、どこまでがOKなのか?聴いている人が不快にならない線はどこなのかを知りたいです。

(シゲルーティン さん)

A. 回答

シゲルーティンさん、ご質問ありがとうございます。

CM表現の基準についてですね。わたしも代理店にいたわけではないので、そこまで詳しくないですが、わかる範囲でお答えします。

 

まず、どこまでがOKなのか?

これは、各放送局の考査(放送内容を審査する部署)のチェックをパスしたものがOKということになります。

考査は民放連(日本民間放送連盟)の放送基準と照らし合わせて確認します。注意点やNG表現が記されているので、ぜひ読んでみてください。

もちろん、その前にはクライアントOKがあります。つまり、世に出ているCMはどれも、一定の基準をクリアしているわけです。

 

でも、ご存知の通り、CMは度々炎上します。

瞬間的な認知を上げるためにあえて炎上を狙う手法もあるでしょうが、やはり長い目で見れば企業イメージが下がるなど、デメリットのほうが多いでしょう。

クレームが殺到すれば、せっかく広告費をかけて作ったCMを、オフィシャルには配信できなくなるわけですから。

 

では、視聴者が不快に思わない線はどこか?

これは難しいですね。それこそコモンセンス(常識、良識)の積み重ね、論文が一つ書けそうなほど大きなテーマで、わたしの手には余ります。

ちなみに、昨年物議を醸したサントリー「頂」のCMも、事前に社内の広報部や関係各所でチェックしたそうです。

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炎上覚悟で攻めたのか、ギリギリセーフと判断したのかはわかりませんが、読みとしては甘かったということでしょう。

あまりに不寛容な世の中はどうかと思いますが、企業が社会の公器である以上、不快な思いをする人が多数いるなら、打ち切りにせざるを得ません。

 

対策としては、「一般的な感覚を磨く」「ちゃんと商品のことを言う」この点に尽きると思います。

たとえば、例に挙げてもらっている「金鳥少年」。いいCMですよね。宮本輝のような世界観が素敵です(まだの方は、ぜひ2016年から聴いてください)。

でもこれも、不快に思う人が一人もいないかと言ったら、おそらくそんなことはないでしょう。クレームだってあるかもしれません。

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でも、炎上はしませんね。やはり、ちゃんと商品のことを言っていて、かつ演出にも品があるからだとわたしは思います。

こんなストーリーである必然性、一種の文学性さえ感じさせます。最後で「~だよ、青少年!」と締めるエクスキューズ、中和させるテクニックも光ります。

 

前述の記事にも書かれていますが、「何を言うか」がしっかりしていれば、炎上覚悟でギリギリの勝負を仕掛けることもないはずです。

「差別化して、訴求できるポイントがない…」という商品もあるかもしれませんが、そここそがクリエイターの腕の見せどころ、工夫のしどころではないでしょうか。

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