コピーは、あなたを表現する場ではありません。何を今さら…と思うでしょうか?

そう、当たり前ですね。クライアントからお金をもらって、商品やサービスを売る手伝いをするのがコピーライターですから。

でも、ビギナーはこれを見失いがちです。わたしの1年目がそうでした(笑)。改めて、確認しておきましょう。

 

広告費を出すのは、クライアント

ものすごくざっくり言えば、コピーライターはクライアントのために働きます。理由は簡単、広告費を出すのはクライアントだからです。

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クライアントの立場になって考えてみましょう。

苦労して開発した新商品、それを世の中に売り出したい。一人でもたくさんの人に使ってほしい。そんな願いを託して、宣伝文句をコピーライターに依頼した。

でも、コピーライターは自分の語り口にこだわって、機能しそうにないポエムまがいのコピーを提案してくる。

 

そんなコピーライターをあなたは雇い続けますか?わたしなら、ごめんです。二度と仕事をお願いすることはないでしょう。

コピーライターの個性は横に置いて、新商品が売れるコピーを書いてほしいです。世に知らしめたいのは商品です。コピーライターじゃありません。

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自己表現したいなら、別の場所で

もしあなたが自己表現したいなら、作家や脚本家を目指しましょう。

実際に、コピーライターから作家になった方もたくさんいます。石田衣良さん、林真理子さん、荻原浩さん、奥田英朗さん。伊集院静さんも、もとCMディレクターですね。

他にもツイッターやブログなど、自己表現する手段はいくらでもあります。世の中に発信したいことがあるなら、プライベートでやりましょう。

 

コピーライティングは、ビジネスです。言葉で企業のイメージを向上させる、商品を売る、サービスを利用してもらう。これがコピーライターの仕事です。

クライアントは、その技術にお金を払います。その技術を見込んで、会社はあなたを採用します。“言葉で売る”技術に、誇りを持ちましょう。

コピーライターにとって言葉は、侍の刀のようなものです。言葉の腕を買われて、藩や豪商に用心棒として雇われている。少し大げさですが、それぐらいの感覚でいいと思います。

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それでも、コピーにはあなたが出る

それじゃ、自分がやる意味がない?そんなことは、ありません。

コピーには、あなたが出ます。あなたというフィルターを通す限り、否応なくあなたの人間性や考え方がにじみ出ます。

 

何の記事で読んだか忘れましたが、本当はボクサーになりたかったエンジニアの書くソースコードは、どこか雄々しく、破壊的なんだそうです(笑)

コピーライターもまったく同じです。まして、コピーライターの言葉は表に出ますからね。読み手に伝わらないはずがありません。

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まとめ

当たり前と言えば当たり前、少し厳しいことも書きましたが、コピーライターの基本的な心構えです。

コピーは自己表現ではなく、商品やサービスを売るために存在している。そして、広告費を出すのはクライアントである。このシンプルな事実を忘れないようにしましょう。

 

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