「舌耕(ぜっこう)」という言葉があります。お百姓さんが田畑を耕すことになぞらえて、話芸による稼ぎをこう呼ぶそうです。舌で耕すのは、人の心です。

コピーライティングは話芸ではありませんが、通じるところがあります。

 

人の感情を揺さぶるのが仕事

コピーは、“喜怒哀楽”といった人間の何かしらの感情を揺さぶらないといけません。人は心を動かされるから、買う/観る/行く/使うといったアクションを起こします。

逆に何の感情も動かさない、あってもなくてもいいコピーはスルーされます。数秒後には忘れさられ、記憶には何も残りません。

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では、何が人の心を動かすか?大切なお金を払って、体験やサービスを得ようとするか。他にも楽しみがたくさんある中で、貴重な時間を割いて足を運ぶか。

それは、まず第一には商品やサービス、コンテンツの魅力です。そして次に、コピーライターによる“ブリッジ”です。商品やサービスと消費者をつなげましょう。

 

いつも言うように、相手の気持ちになって考えることが大事です。「何を言われれば、興味を持つだろう?」「どんな不安を解消すれば、納得するだろう?」

答えはあなたの中にあります。消費者のマインドを掘り下げることはとても大事ですが、コピーはあなたというフィルターを通してしか生まれません。

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まず、あなたの心を動かすこと

わたしは、わりと感動するほうです。年齢とともに対象は変化しますが(だんだん、家族や子供に弱くなるなど)、映画やドキュメンタリーを観て泣くこともあります。

別に「あなたも感動屋さんになれ」と言うわけじゃありません。感動させるだけが広告じゃないです。笑えるものもあれば、問題提起するものもあります。

 

いつもクールなコピーライターだっています。感情に流されず、物事を冷静に分析できることは、大事な素養の一つです。

ですが、ずっと低体温で冷めている。何を体験しても、観ても、あまり心が動かないコピーライターに、人の心を動かせるとは考えにくいです。

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“共感”はコピーライティングにおける重要なキーワードです。コピーを見た人が「あー、その気持ちわかる!」「なるほど、そういう見方もあるか…」と感じる。

こういった共感性が高いほど、消費者にフックする(心に引っかかる)コピーです。それには、まずあなたの心を動かさなければ、真に迫る言葉は生まれないでしょう。

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まとめ

コピーライターは、人間の何かしらの感情を揺さぶる。そのためには、あなた自身も心を動かし、ときには震わせようという話でした。

わたしたちが、本当に見つめるべきはプロダクトやスペックといったハードではありません。人の心という、極めてソフトなものを扱っているのだと思います。

 

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